牛革(牛皮革)の種類と特徴のまとめ。牛革ってこんなにあるの?


牛革(牛皮革)の種類と特徴のまとめ。牛革ってこんなにあるの?

ここでは、革の中で最も有名ともいえる牛革の種類について紹介します。

皮革の中でも最も流通しているのが牛の革(牛皮革)です。
革と言えば牛革というくらい世界的にも出回っています。

しかし、一口に牛革と言っても、牛革には育った環境や年齢、部位によって名称・特徴が変わってきます。
名称だけでも覚えておくと役立つかもしれませんね!

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皮革の種類や加工方法のまとめ一覧。

2018.09.30

ベビーカーフ

胎児から生後3か月までの仔牛の皮革のことを「ベビーカーフ」と言います。

次にでてくる「カーフスキン」よりもキメが細やかで、革表面(銀面)が際立つ最高級素材です。
希少価値が高く非常に高価なんです。

【 用途 】
ブックカバー、財布、キーケース、カードケース、ハンドバッグ、手袋など・・・

ポイント

  • 胎児から生後3か月までの仔牛の革
  • 希少性が高い
  • 非常に高価
  • 柔らかい素材
  • 革表面(銀面)が際立っている

カーフスキン

生後3か月から6か月以内の仔牛の皮革のことを「カーフスキン」と言います。
牛皮革の中でも最上質なものです。

特徴は、キズが少なく、繊細でキメが細かで、しなやかで柔らかいことです。
とにかく上質なものですね。

逆に、カーフスキン自体は薄いため、ハードなレザーアイテムなどには向いてません。
また、重量でも名称が変わります。
「9.5ポンド以下」を「ライトカーフ」と呼び、 「9.5~15ポンド」を「ヘビーカーフ」と呼びます。

【 用途 】
革手工芸品、革小物、ハンドバッグ、カバン、靴、ベルト、手袋、衣料など

ポイント

  • 生後3か月から6か月以内の仔牛の革
  • 傷が少ない
  • 薄くて柔らかい
  • 牛皮革の中でも最上質
  • 「9.5ポンド以下」を「ライトカーフ」と呼ぶ
  • 「9.5~15ポンド」を「ヘビーカーフ」と呼ぶ

キップスキン

生後6か月から1年以内の牛皮革を「キップスキン」と言います。

カーフスキンと比べると、キメは粗くなる分、革の厚みは増し丈夫なのが特徴です。
しかし、この「キップスキン」もカーフスキンと同じように高級な上質素材と言われています。

【 用途 】
革手工芸品、レザーカービング、ハンドバッグ、カバン、靴、財布・ベルト・手袋などの革小物、衣料など

ポイント

  • 生後6か月から1年以内の革
  • 高級な上質素材
  • 革の厚みが多少ある
  • 丈夫である
  • 多少キメは粗い

ステアハイド

生後2年以上経った去勢済みのオス牛の皮革を「ステアハイド」と言います。
去勢をしていないものやオスとメスでも違いが生まれてきます。
結構ややこしいですね。

一般的に、牛皮革と言えば「ステアハイド」を指すことが多いと言われています。
特徴は、厚手で耐久性に優れていることです。柔らかさと丈夫さを持ち、いろいろな用途に使用されています。

【 用途 】
靴、靴の底、ベルト、カバン、ハンドバッグ、革手工芸、家具など

ポイント

  • 生後2年以上経った去勢済みのオスの革
  • 去勢済みと去勢をしていないもので異なる
  • 厚手で耐久性に優れている
  • 柔らかさと丈夫を兼ねそろえる

カウハイド

出産経験のある、生後2年経過したメス牛の皮革を「カウハイド」と言います。
牝牛のため、皮の厚さは雄牛ほどなく、ステアハイドと比べると、薄くて柔らかいのが特徴です。

これも、一般的な牛皮革としての意味合いを持ちます。
「ステアハイド」は丈夫で、「カウハイド」は柔らかいと覚えておくといいかもしれませんね。

【 用途 】
靴、靴の底、工業用ベルト、カバン、ハンドバッグ、革手工芸、家具など

ポイント

  • 出産経験のある、生後2年経過したメス牛の革
  • 「ステハイド」より柔らかい
  • 丈夫さも兼ねそろえる
  • 一般的な市場に出回っている牛革は「カウハイド」

ブルハイド

生後3年以上経った繁殖用のオス牛の皮革のことを「ブルハイド」と言います。
繁殖用なのでもちろん去勢はされていません。

去勢ってなにが関係あるの?と思われるかもしれませんが、気性が変わるんですね。
気性が荒い⇒喧嘩する⇒キズがつく
って流れで、キズが多いのが特徴です。
その分、丈夫さは牛皮革の中では一番あります。

【 用途 】
靴、靴の底、工業用ベルト、カバン、ハンドバッグ、革手工芸、家具など

ポイント

  • 生後3年以上経った繁殖用のオスの革
  • 去勢はされていないオスの革
  • 牛革の中で最も強い丈夫さを持つ
  • キズが多い

ジナマ

日本独自の牛皮革のことを「ジナマ」と言います。

日本で育ち消費された牛のことで、「国産の牛皮革」のことです。

日本国産ということで、日本は品質管理がしっかりしていることもありキズが少なく高品質なのが特徴です。

ポイント

  • 日本独自の牛革/li>
  • 「国産の牛皮革」のことを指す
  • キズが少ない
  • とても高品質

まとめ

いかがでしたでしょうか?

一口に牛革と言っても多くの種類があります。
特に、成長によって、革の質が変化していき、それに合わせて特徴が変わってくることには驚きました。

「環境が人を育てる」なんて言葉ありますが、まさにこれですね。

用途に合った特徴が革には求められるため、一概にはこの牛革が良いとは言い切れないのも、また革の魅力ではないでしょうか?